2015年、世界文化遺産に登録された軍艦島上陸ツアー(クルーズ)を取り扱っているのは5社のみです。
5社とも軍艦島への上陸がメインイベントですが、付帯するツアー内容はそれぞれ異なります。
どのツアー会社が一番安くておすすめなのか、ツアー内容の違い、船酔いしにくい船など、いろいろ比較してみました。
この記事を読めば、5社のツアーの違いがわかります。
この記事を読めば、上陸ツアー会社を選ぶポイントがわかります。
軍艦島ツアーのおすすめ上陸ツアー会社
軍艦島に上陸するには、長崎市が端島(はしま)桟橋の使用許可を出している5社のツアーに参加する必要があります。
軍艦島上陸ツアー5社は、
それぞれのツアーの特徴は以下の通りです。
特徴 | |
軍艦島コンシェルジュ (ユニバーサルワーカーズ) | 当時は団体客のツアー限定でした。ガイドは、かつて島内に住んでいた方が体験談も交えながら貴重な話をしてくれます。出航の常盤桟橋の待合所では軍艦島に関連した様々なグッズ販売も行っています。 |
軍艦島上陸クルーズ (高島海上交通) | ガイドは自社育成による専属ガイドです。航路の途中で軍艦島の親会社の高島炭鉱があった高島に上陸し、石炭資料館などの見学ができます。 |
軍艦島上陸周遊クルーズ (やまさ海運) | 2001年の周遊のみの時代から軍艦島観光を行っていた老舗のツアー会社。島内のガイドはオリジナルで作成したナレーションで案内。長崎市が2007年から実施しているボランティがガイドを代行します。 |
軍艦島ツアー (シーマン商会) | NPO法人軍艦島を世界遺産にする会の理事長や会員が案内してくれます。元島民の深い話が聞けます。見学後に本物の石炭をお土産にもらえるところがユニークです。 |
第七ゑびす丸 | 島内のガイドを同じ時間に行う他のツアーガイドと兼用するため、早めに入港し、帰りも同時入港の観光船が帰った後に迎えにくるため、島内の滞在時間は必然的に長くなります。 |
私はこの中から軍艦島コンシェルジュ(ユニバーサルワーカーズ)の上陸ツアーに参加しました。
選んだ主な理由は、
- ツアーに軍艦島デジタルミュージアムが含まれていて割安
- 船に揺れを制御する設備があり、船酔いしにくい
- 上陸率、出航率が高い
以下、それぞれの理由について詳しく説明します。
軍艦島コンシェルジュ(ユニバーサルワーカーズ)を選んだ理由
軍艦島上陸ツアー5社のツアー料金の比較
5社のツアー料金(大人)の最安値(赤字)をまとめました。
ツアー料金(大人) | 上陸できなかった場合 | |
軍艦島コンシェルジュ (ユニバーサルワーカーズ) | 5,000円(スタンダードの場合、特定日は+500円) | 周遊料金4,000円へ切替 |
軍艦島上陸クルーズ (高島海上交通) | 3,600円 | 返金なし |
軍艦島上陸周遊クルーズ (やまさ海運) | 4,200円 (早割20の場合3,400円) | 周遊料金3,240円へ切替 |
軍艦島ツアー (シーマン商会) | 3,900円 (割引チケットで3,600円) | 返金なし(高島上陸へ変更) |
第七ゑびす丸 | 3,150円(15名以上の場合) | 返金なし |
※上記は、2024年2月時点の情報です。変更になる場合がありますので、予約前に必ず各会社へ問い合わせてください。
一見、軍艦島コンシェルジュが高いように思えます。
しかし、軍艦島コンシェルジュには「軍艦島デジタルミュージアム入館チケット」一般1,800円が付いているのです。
他の4社に1,800円を加えると、5社はほぼ同じぐらいの料金となり、
特定日以外なら軍艦島コンシェルジュは割安と言えます。
軍艦島デジタルミュージアム
軍艦島デジタルミュージアムは、上陸ツアーへ参加するなら絶対に行っておきたい場所!
実は、軍艦島の建物は劣化が進みいつ崩壊するかわからないため、
上陸できるのは極一部のエリアに限られています。
しかし、軍艦島デジタルミュージアムではVRを使って立入禁止区域へ入ることができるんです。
ドローンで撮影された映像なので、密集した鉄筋コンクリートの建物群を空から眺めたり、建物中央の吹き抜けを上下したり、
上陸ツアーでは見ることができない軍艦島の奥を探索することができます。
しかも、VRを付けたまま360度をぐるりと見渡すこともできるので、その場にいる臨場感を楽しめます。
多くの展示物を通して軍艦島のすべてを知ることができますが、個人的に特に見ていただきたいのは、
- 当時の島民の生活
- 軍艦島の建物の劣化進行状況
の2つです。
当時、東京都内の人口密度よりも多いと言われていた島民の数、
それは、1.5倍という高い月収とほぼ無料に近い社宅費や光熱費という魅力的な環境によるもの。
島内には、映画館やボーリング場まで完備され、当時10%だったテレビ普及率がこの島ではほぼ100%だったそうです。
また、街中ならば解体してしまう建物がここでは残置されており、崩壊のメカニズムを観察できるという点でも識者から貴重な財産とされています。
事前に知識を得てから上陸すれば、実物を前にした時の感動は大きいものです。
ところで、軍艦島デジタルミュージアムの利用日は、乗船日の前日、当日、翌日から選ぶことができますから時間をかけてゆっくり見るようにしましょう。
駆け足で見ても1~2時間はかかりますから、
- 午前の上陸ツアーなら前日
- 午後の上陸ツアーなら当日出港前
をおすすめします。
他の4社のツアーに申し込んだ場合でも軍艦島デジタルミュージアムは必ず見学してほしい所です。
アソビューなら、入場料が40%~17%割引、一般なら1,800円→1,500円で購入できますよ。
軍艦島上陸ツアー5社の船の比較
次に、5社の船を比較してみました。
船の写真 | 船名・定員 | |
軍艦島コンシェルジュ (ユニバーサルワーカーズ) | ジュピター・199名 | |
軍艦島上陸クルーズ (高島海上交通) | ブラックダイヤモンド・200名 | |
軍艦島上陸周遊クルーズ (やまさ海運) | マルベージャ・225名 | |
軍艦島ツアー (シーマン商会) | さるくⅡ号・96名 | |
第七ゑびす丸 | アイランド号・20名 |
軍艦島上陸ツアー5社の乗船場所
乗船場所は、それぞれ異なります。
第七ゑびす丸のみ、野母崎の健康村前桟橋のため軍艦島まで短い所要時間で到達することができます。
船の揺れ具合(船酔い対策)
長崎港の大波止桟橋または常盤桟橋から軍艦島までの距離は、およそ18㎞。
30分~40分で軍艦島へ到着します。
外海へ出ると風の強い日は特に船が揺れます。
軍艦島を周遊する際、写真を撮りやすくするため船の左側→右側の順番で側面を軍艦島に向けるのですが、その時の左右の揺れはかなり大きくなります。
強風の日ですと、上下に1mぐらい揺れます。
また、周遊も含めると1時間も乗船しっぱなしですから船酔いも心配です。
大きい船の方が揺れは少ないため、定員200人級のジュピター、ブラックダイヤモンド、マルベージャを選ぶべきでしょう。
更に、軍艦島コンシェルジュのホームページによると「ジュピターは、揺れを制御する設備を搭載した揺れにくい設計で、船酔いが心配な方も安心」なのだそうです。
この一文で軍艦島コンシェルジュを選んだ人も多いのではないでしょうか。
ところで、船の横揺れを低減するのがジャイロスタビライザーなのかどうか、
そのあたりの詳細までは書かれていません。
実際に乗船した印象としては、横揺れはかなりありました。
それが低減されたものなのかどうかは分かりません。
軍艦島への上陸率、船の出航率
軍艦島に上陸できるかどうかはその日の天候次第です。
上陸可能な日数は年間およそ100日と言われるほど、軍艦島の周囲を囲む外海は荒れることが多いそうです。
私の場合、「波が高く、上陸できるかどうかは現地へ行かないとわからない」と言われて出港しました。
そして、軍艦島付近に到着すると「今日は上陸できない」とアナウンスがあり皆がっかりしていました。
しかし、よく見ると軍艦島の桟橋には他社の船が停泊しているのです。
スタッフに尋ねると数時間の違いで状況は変わるとのこと。
その後、周遊クルーズが終わり、帰る準備をしていたところ、「上陸できそうなので、これから上陸する」とアナウンスがありました。
軍艦島コンシェルジュの総合平均上陸率は、なんと94.0%、出航率は91.9%という高さ。
しかし、この数字は2020年3月までの記録です。
2020年4月から、上陸基準について長崎市の条例の厳守が求められ、5社共に上陸率は同等で60%程度なのだそうです。
軍艦島の桟橋の波高が50cm以下でなければ、長崎市の条例のより船の着岸が認められていないそうです。
上陸できるかどうかは最終的には船長判断ですが、
過去の記録であっても高い上陸率を誇っていたという軍艦島コンシェルジュは船長の着岸技術も高かったのではないでしょうか。
島内の見学は約1時間、3つの見学広場で軍艦島にまつわる話を聞くことができます。
軍艦島ツアーのおすすめは?上陸クルーズ5社を比較してみた!のまとめ
以上、軍艦島ツアーのおすすめは?上陸クルーズ5社を比較してみた!でした。
この記事では、軍艦島コンシェルジュ(ユニバーサルワーカーズ)をおすすめしました。
繰り返しますが、おすすめする主な理由は、
- ツアーに軍艦島デジタルミュージアムが含まれていて割安
- 船に揺れを制御する設備があり、船酔いしにくい
- 上陸率、出航率が高い
しかし、他の4社にも、予約が取りやすい、キャンセル料が少ない、上陸証明書がもらえる、高島にも上陸する、乗船時間が短いなど、それぞれにメリットがありますので自分の価値観に合ったツアー会社を選ぶようにしてください。
軍艦島を目前にしながらも上陸できない場合がありますから
余裕があれば、予備の日を設定することをおすすめします。
日々崩壊が進行している軍艦島ですから、この先何年まで見られるかどうかわかりませんから、早めに観光するようにしましょう。
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